2025年04月11日
寺澤紗良さん(空手)インタビュー【第1回】
寺澤紗良さん(空手)インタビュー【第1回】
「ここで、ひとつに。」
今回は、地元・愛知県一宮市出身の気鋭の若手空手選手、寺澤紗良さん(21)。アジア競技大会種目の「組手」で、国際大会の優勝経験を持つ実力者です。
突きと蹴りの組み合わせで相手の一瞬の隙を突く競技で、パワーあふれる蹴りを得意とする寺澤さん。自身は、同じアジアのイラン出身の父親ゆずりのしなやかな足が、海外の強豪選手と渡り合う上で大きな武器になっていると分析しているそうです。
故郷で開かれるアジア大会に懸ける思いをうかがい、2回にわたるインタビュー記事でお届けします。

■自分と向き合うのが好き、だから空手
―空手との出会いを教えてください。
小学校1年くらいの時に始めた水泳が、続かなかったんです。でも、体を動かすのが好きだったので、家の近くにあった道場に「ちょっと行ってみよう」となりました。武道なら、礼儀作法も一緒に習うことができるんじゃないか、という親の勧めもあって。
家族も自分も、空手というものは全く知らない世界で、初めてのことばっかりだったのですが、運動神経は悪い方じゃないので(笑)、コツをつかむのも早くて、初めて行ったその日に「その場突き」とか「移動基本」をやってみたら「すごい上手、きれいにできてる」と。褒められて、その気になりました。うまいこと乗せられて。ふふふ。今思えばいい出会いだったな、と。
―ほかのスポーツもいろいろチャレンジしましたか。
休み時間になれば外に遊びに行く子で、小学校ではミニバスケットボールクラブにも所属していました。中学校は空手部がなく、私の家は野球好きな一家なのでソフトボール部に。ポジションはピッチャーでした。スピードは出る方でしたけれど、コントロールはあんまり…(笑) 今では屋内の空手なので日に焼けませんが、当時は真っ黒に日焼けして、本気で打ち込みました。
他のスポーツを経験して、結果的に、自分にはやっぱり空手が合っているな、と再確認できたと思っています。ソフトも全くできなかったわけじゃないけど、ボールに自分の力を伝えるのは簡単ではありませんでした。球技が得意な人を尊敬します。
球技と違い、空手は自分の身一つで戦う競技です。天候にもあまり左右されない。全てを自分でコントロールできる競技だというとことが、自分には合っていると思います。
―ソフトはチームスポーツ、空手は個人スポーツという違いもあります。
チームスポーツよりも個人スポーツの方が自分には合っているかな、と。自分と向き合うのが好き、というか。他人は変えられないですけど、自分は変えられますから。ただ、ソフトボールというチームスポーツを経験できたことも大きかったです。意見の食い違った時に話し合ったり、人に合わせたりするのも、生きていくのに大切なことですね。ソフトで経験できたおかげで、高校時代にキャプテンをやらせてもらい、チームを動かすことができたと思っています。
―空手との出会いを教えてください。
小学校1年くらいの時に始めた水泳が、続かなかったんです。でも、体を動かすのが好きだったので、家の近くにあった道場に「ちょっと行ってみよう」となりました。武道なら、礼儀作法も一緒に習うことができるんじゃないか、という親の勧めもあって。
家族も自分も、空手というものは全く知らない世界で、初めてのことばっかりだったのですが、運動神経は悪い方じゃないので(笑)、コツをつかむのも早くて、初めて行ったその日に「その場突き」とか「移動基本」をやってみたら「すごい上手、きれいにできてる」と。褒められて、その気になりました。うまいこと乗せられて。ふふふ。今思えばいい出会いだったな、と。
―ほかのスポーツもいろいろチャレンジしましたか。
休み時間になれば外に遊びに行く子で、小学校ではミニバスケットボールクラブにも所属していました。中学校は空手部がなく、私の家は野球好きな一家なのでソフトボール部に。ポジションはピッチャーでした。スピードは出る方でしたけれど、コントロールはあんまり…(笑) 今では屋内の空手なので日に焼けませんが、当時は真っ黒に日焼けして、本気で打ち込みました。
他のスポーツを経験して、結果的に、自分にはやっぱり空手が合っているな、と再確認できたと思っています。ソフトも全くできなかったわけじゃないけど、ボールに自分の力を伝えるのは簡単ではありませんでした。球技が得意な人を尊敬します。
球技と違い、空手は自分の身一つで戦う競技です。天候にもあまり左右されない。全てを自分でコントロールできる競技だというとことが、自分には合っていると思います。
―ソフトはチームスポーツ、空手は個人スポーツという違いもあります。
チームスポーツよりも個人スポーツの方が自分には合っているかな、と。自分と向き合うのが好き、というか。他人は変えられないですけど、自分は変えられますから。ただ、ソフトボールというチームスポーツを経験できたことも大きかったです。意見の食い違った時に話し合ったり、人に合わせたりするのも、生きていくのに大切なことですね。ソフトで経験できたおかげで、高校時代にキャプテンをやらせてもらい、チームを動かすことができたと思っています。

■イチかバチかの心理戦が醍醐味
―競技としての空手の魅力を教えてください。
やっぱり駆け引き、ですね。相手の心を読み、心理を利用して戦うのが一番の醍醐味で、好きなところです。空手は、ソフトボールや野球、バスケットボールのような競技時間の長い競技と違い、3分という限られた時間の中で一瞬の隙を狙う競技です。イチかバチかの心理戦で、相手の隙を突くのはすごく難しいことですが、それができた時、すごく喜びと楽しさを感じます。
―隙を突く力とは、天性のものなのか、それとも鍛えられるものでしょうか。
自分は極度の負けず嫌いなので、そういう性格がプラスになっていると思います(笑)
―負けず嫌いのエピソードを教えてください。
私は、ちっちゃいころからテレビゲームとか、コンピューターゲームが得意じゃありません。1歳下の弟がゲームが得意で、例えばいろいろなオリンピック競技で対戦するゲームなどでボッコボコにやられちゃう。私が負けると、怒って、「もう1回、もう1回」と勝つまで終われない。いつまでもその調子なので、見かねて最後は弟がわざと負けてくれます(笑)
空手の練習の話をしますと、「他の人より速く」とか「他の人よりも回数を多く」というのを意識してやっています。優れた人を見つけたら、面と向かって宣言するわけではないですが、ちらっと横目で見ながら自分の心の中で「あれよりうまくやってやろう」「あれより強くなろう」と思い定めて、鍛えます。
―常にライバルを設定している。
人それぞれ得意分野が違いますよね。例えば「突きがうまい」「蹴りがうまい」「スピードがある」「パワーがある」といろいろな長所を持っている人がいます。いろいろな人たちの良いところ取りをして、盗んで、少しでも自分の力にできないか、と思ってやっています。
人の真似っこは得意だし、好きです。ただ、目標としている人の名前とかは…いっぱいいますけど、言うのも悔しいので、言いません。ふふふ。
―競技としての空手の魅力を教えてください。
やっぱり駆け引き、ですね。相手の心を読み、心理を利用して戦うのが一番の醍醐味で、好きなところです。空手は、ソフトボールや野球、バスケットボールのような競技時間の長い競技と違い、3分という限られた時間の中で一瞬の隙を狙う競技です。イチかバチかの心理戦で、相手の隙を突くのはすごく難しいことですが、それができた時、すごく喜びと楽しさを感じます。
―隙を突く力とは、天性のものなのか、それとも鍛えられるものでしょうか。
自分は極度の負けず嫌いなので、そういう性格がプラスになっていると思います(笑)
―負けず嫌いのエピソードを教えてください。
私は、ちっちゃいころからテレビゲームとか、コンピューターゲームが得意じゃありません。1歳下の弟がゲームが得意で、例えばいろいろなオリンピック競技で対戦するゲームなどでボッコボコにやられちゃう。私が負けると、怒って、「もう1回、もう1回」と勝つまで終われない。いつまでもその調子なので、見かねて最後は弟がわざと負けてくれます(笑)
空手の練習の話をしますと、「他の人より速く」とか「他の人よりも回数を多く」というのを意識してやっています。優れた人を見つけたら、面と向かって宣言するわけではないですが、ちらっと横目で見ながら自分の心の中で「あれよりうまくやってやろう」「あれより強くなろう」と思い定めて、鍛えます。
―常にライバルを設定している。
人それぞれ得意分野が違いますよね。例えば「突きがうまい」「蹴りがうまい」「スピードがある」「パワーがある」といろいろな長所を持っている人がいます。いろいろな人たちの良いところ取りをして、盗んで、少しでも自分の力にできないか、と思ってやっています。
人の真似っこは得意だし、好きです。ただ、目標としている人の名前とかは…いっぱいいますけど、言うのも悔しいので、言いません。ふふふ。
取材・構成は、中野祐紀と鈴木雄登が担当しました(年齢は取材時)。
第2回は、国際大会出場のご経験と、地元で開かれる愛知・名古屋2026への想いについて聞きます。
寺澤紗良(てらざわ・さら)さんプロフィール 2003年6月8日生まれ。愛知県一宮市出身。全日本空手道連盟の全日本強化指定選手(女子組手-68kg級)。済美高卒、現在は中部学院大3年。2023年にアジアカデット、ジュニア&U21空手道選手権大会優勝(U21の部)、2024年にKarate1シリーズAラルナカ大会優勝。父親がイラン人、母親が日本人と2つのルーツを持つ。 |