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2024年01月30日

【第三回】楽しみながらのおもてなしで「再び愛知へ」と思ってもらえる大会に(東京2020オリンピック・第19回アジア競技大会 競泳男子 バタフライ日本代表 川本武史選手)

念願の東京2020オリンピック出場を果たし、数々の国際大会で活躍を続ける競泳男子の川本武史選手。その水泳人生のルーツである生まれ育った愛知県には、どのような思い入れがあるのでしょうか。

ラストとなる第三回では、故郷である愛知県で記憶に刻まれている思い出の地についてインタビュー。さらに、2026年に地元・愛知県で開催されるアジア競技大会に対する思いまで、生の声をお届けします。





 
Interviewer
愛知県で思い出深い場所はありますか?

川本武史選手
小・中学生の頃は、ほとんど家とプールの往復だったのであまり思い出の地はないですが、記憶に残っている場所と言えば、多くの大会の開催地であった日本ガイシスポーツプラザのプールですね。数えきれないほど訪れた場所です。
それから、大学時代は結構ボーリングにハマっていたので、行きつけのボーリング場はありましたね。良い思い出です。

Interviewer
地元で開催される愛知・名古屋アジア競技大会に向けての思いをお聞かせください。

川本武史選手
正直なところ、2026年の時点で「絶対現役を続けている」と言い切れるイメージはないので、選手として出場しているかどうかはわかりません。ただ、地元の愛知県でアジア競技大会が開催される機会は、もしかしたら一生に一度かもしれないので、何かしらの形で携わりたいという思いは強いです。






 
Interviewer
水泳競技を観戦する時の見どころや楽しみ方があれば、教えてください。

川本武史選手
水泳の決勝戦は通常、予選で良いタイムを出した選手が中央付近のレーンを泳ぐので、センターに注目しがちだと思うのですが、アジア競技大会ではぜひ全コースの動向に目を配ってほしいです。
アジア競技大会の場合、オリンピックなどの国際大会に比べて選手間の実力差が大きい場合もあり、予選では体力温存のため全力を出さないまま決勝に進出する選手もいるんです。そのため、決勝で優勝争いをする選手が必ずしも中央付近のレーンに集まっているとは限らないのが面白いところ。ぜひ両サイドのレーンにも注目してみてください。それから距離が長めの種目なら、戦略的なパフォーマンスも要チェックです。レースをトータルで勝ち切るための戦略、レース巧者たちの駆け引きも醍醐味ですね。

Interviewer
愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会で、観戦したい競技や気になる会場はありますか?

川本武史選手
個人的にサッカーが大好きなので、絶対に観たいです。あとはブレイキン。兄が大学時代にダンスをしていたのでもともと関心はあるのですが、中国・杭州で行われたアジア競技大会では日本人選手が金メダルを獲得しましたし、2024年パリオリンピックの種目にもなっているので、話題性も抜群ですね。
ブレイキンやスケートボードなど、ストリート系の種目が世界スポーツに参入してきたことは、個人的にもすごくうれしいし、スポーツカルチャーとしても良い流れだと思います。





 
Interviewer
愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会でホストタウンとなる愛知県の方々へ、期待することがあればお聞かせください。

川本武史選手
海外の選手は日本好きの方が多いので、特別な演出をするというよりは、温かく迎えていただけたら喜ぶと思います。
以前、福岡で世界水泳が開催された時、会場の周辺にいる関係者の方など、皆さんがすごく元気よく挨拶をしてくださったことが印象に残っています。「今日も頑張ってください!」という明るい声かけがすごく励みになりました。
スポーツの国際大会って、一つのお祭りだと思うんです。大きなお祭りという感覚で、みんなで楽しみながらおもてなしをしてほしいですね。

Interviewer
川本選手が思う、スポーツの魅力とは?

川本武史選手
観ている方にとっては「自分にも何かできるんじゃないかな」と思わせてくれるのがスポーツの力だと思うんです。例えば僕の泳ぎを見て「水泳は苦手だけど、ちょっとプールに行ってみようかな」とか、引退して水泳から離れていた人は「もう一回泳いでみようかな」と思ってくれることはすごくうれしいです。
僕自身、今は現役中なので叶いませんが、サッカーの試合を観ると、気分が昂ってサッカーをやりたくなります。競技や種目を限定せずとも、アスリートの戦う姿を観て何かに打ち込んでみようと思う、健康維持のために体を動かしてみようという意欲がわいてくる、それがスポーツの価値の一つだと思います。






 
Interviewer
愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会への期待感についてお聞かせください。

川本武史選手
選手や関係者、応援に来る人など、海外から来日する方が「日本」としてではなく、もう一度「愛知県」「名古屋市」に来たいと思ってもらえたら成功なのではないでしょうか。
東京や京都など、日本を代表する有名な観光地はたくさんありますが、スポーツを通して愛知県や名古屋市を知り、大会が終わって帰国した後に「もう一回あの場所に行きたいな」と感じてもらえるように、僕自身も貢献できたらうれしいです。






 

観ている方にとって「自分にも何かできるんじゃないかな」と思わせてくれるのがスポーツの力だと思うんです。 競技や種目を限定せずとも、アスリートの戦う姿を観て何かに打ち込んでみようと思う、健康維持のために体を動かしてみようという意欲がわいてくる、それがスポーツの価値の一つだと思います。




穏やかな口調で故郷への思いを語る、温和な雰囲気の川本選手。しかしその根底には、しのぎを削るトップアスリートたちの中で、荒波に押しつぶされることなく、常に高みをめざし続けてきた熱い闘志を感じます。
地元で開催される愛知・名古屋アジア競技大会については「スポーツの国際大会って、一つのお祭りだと思うんです。大きなお祭りという感覚で、楽しみながらおもてなしをしてほしいですね」と語り、自身も「何かしらの形で貢献したいです」と意欲的です。
水泳の楽しみ方、スポーツの魅力を多くの方へ広める川本選手の姿に、期待が膨らみます。

<第三回 完>


【第一回】泣きながら泳いだ幼少期。くじけそうな時は、仲間や家族の存在が支えに(東京2020オリンピック・世界水泳選手権 2023福岡大会・第19回アジア競技大会 競泳男子 バタフライ日本代表 川本武史選手)
【第二回】波の影響や水温など海外での経験は財産。仲間との交流も刺激に(東京2020オリンピック・世界水泳選手権 2023福岡大会・第19回アジア競技大会 競泳男子 バタフライ日本代表 川本武史選手)