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2023年12月19日

【第二回】海外の舞台で感じたコミュニケーションの大切さ。自分の言葉で表現したい!(2022年SLS WORLD TOUR IN JACKSONVILLE 2位 織田夢海選手)

7歳でスケートボードを始め、小学6年生の時に参戦した14歳以下の国際大会で優勝を果たすなど、
彗星のごとく現れた日本スケートボード界期待の星、織田夢海選手。

第二回のインタビューでは、世界を転戦するなかで感じた世界と日本の違いや、同世代のライバルへの思いなどを直撃しました。

豊富な海外経験について語る言葉の端々から、あどけなさの残る10代の素顔に秘められたプロアスリートとしての芯の強さが垣間見えます。



 
Interviewer
初めて世界大会に出場した時の印象をお聞かせください。

織田夢海選手
世界大会のデビュー戦は、小学6年生の時に参戦したEXPOSURE 2018 AM14&UNDER STREETというアメリカで開催された大会でした。その時に感じたことは、日本とは盛り上がり方が全然違うということです。スケートボードというカルチャーに対する歴史や熱量が、日本とは比べものにならないのだということを肌で感じました。

同時に、海外選手の優しさに触れることもできました。ライバルでありながらも、試合に臨む時以外はとても気さくに話をしてくれて、みんなすごくフレンドリーでした。







 
Interviewer
これまでのキャリアの中で、印象に残っている大会についてお聞かせください。

織田夢海選手
自分にとって大きな転機となったのが、2022年にアメリカのフロリダ州ジャクソンビルで行われた世界最高峰の大会、SLS(Street League Skateboarding)です。ベストトリックで大技の「キックフリップ・フロントサイド・フィーブルグラインド」が成功し、決勝に進出した選手の中で最高得点を出せたことはすごく印象に残っています。

男子でも難しいと言われている技で、もともと覚えようと思っていたわけではないのですが、その技を得意としている男子選手が教えてくれて、やってみたらできちゃったんです(笑)。

もちろん始めたばかりの頃はなかなか成功しなかったのですが、今はメイク率もかなり上がってきて、自分の武器の一つになっています。

Interviewer
逆に悔しくて記憶に残っている試合はありますか?

織田夢海選手
負けた試合は、全部悔しいですね。でも、成功した時のうれしさや爽快感が忘れられないから「もう1回成功したい」「次こそ!」と思って練習しています。

日本女子の選手は層が厚くて、同世代にライバルが大勢いるので「負けたくない」という気持ちもすごく刺激になっています。






 

Interviewer
数々の世界大会を経験している織田選手ですが、試合の時は緊張しますか?

織田夢海選手
自分の滑走順を待っている間はすごく緊張します。9月にスイスで行われたパリオリンピック予選「WST:ローザンヌ・ストリート2023」の準決勝の時は、滑走順が1番目だったのでいつも以上に緊張しました。

そんな時、ふと寝転んで空を見上げたら、すごく気持ちが落ち着いたんです。平常心で滑ることができたおかげで、準優勝という結果につながったのだと思います。

でもどんなに緊張していても、いざ滑り始めたら板に乗ることだけを考えているので、すべて吹き飛んでしまうんですけどね。

Interviewer
海外遠征時の必需品はありますか?

織田夢海選手
白米が食べられないと辛いので、レトルトのご飯を持って行くことが多いです。でも以前、オーストラリアからそのままアメリカに渡って大会に臨んだ時、手持ちの食糧を切らしてしまったことがあったんです。その時に選手仲間がレトルトのご飯を分けてくれて、すごく感動しました!

Interviewer
海外を転戦する中で大切にしていることはありますか?

織田夢海選手
選手同士や現地の方とのコミュニケーションはすごく大切だと感じます。自分の思いや希望を自分の言葉で伝えたいと思うようになり、今は英会話教室に通って英語の特訓中です。

授業で「最近あった出来事」をお互いに話す時間があるのですが、私が教室に行くたびに「アメリカへ行ってきた」、「スイスの試合で勝った」と海外の話ばかりするので、英会話教室の先生はいつも驚いています(笑)。






 
Interviewer
試合以外でもう一度訪れてみたい国や場所はありますか?

織田夢海選手
試合で海外へ行く時は観光する時間がほとんどないので、プライベートで行ってみたい国はたくさんあります。とくにスイスとオーストラリアは町がきれいで、温かい人が多かったので、改めて遊びに行きたいです。

Interviewer
海外で試合に臨む際、心がけていることはありますか?

織田夢海選手
とくにないです。幼い頃から国際大会に出る機会も多かったので、日本だからとか海外だからとかあまり意識することはないですね。

心がけているわけではないですが、海外に行った時はフルーツを食べることが楽しみです。試合前には大抵、どこの国に行ってもその土地ごとのフルーツを食べます。






 

小学6年生の時に参戦したアメリカの国際大会で感じたことは、日本とは盛り上がり方が全然違うということです。スケートボードというカルチャーに対する歴史や熱量が、日本とは比べものにならないのだということを肌で感じました。 負けた試合は全部悔しい!でも成功した時のうれしさが忘れられないから「もう1回成功したい」、「次こそ!」と思って練習しています。





男子のトップクラスの選手でもメイクするのが難しいとされる超高難度トリックを武器に、世界のトップスケーターとして頂点をめざし続ける織田選手。

ときに照れくさそうに、ときに屈託なく笑いながら話す高校生らしい表情とは裏腹に、世界を相手に厳しい戦いを続けてきたプロアスリートとしての意志の強さと覚悟が伝わってきました。

第三回は、愛知県出身の織田選手に、地元で開催される2026年愛知・名古屋アジア競技大会についてうかがいます。


<第三回 2023年12月26日(火曜日)掲載記事につづく>