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  3. 【第三回】地元で歴史が変わる瞬間に立ち会えるチャンス。熱量を体感してほしい (2016年リオデジャネイロオリンピック カヌー・スラローム男子 銅メダリスト 羽根田卓也選手)

2023年11月28日

【第三回】地元で歴史が変わる瞬間に立ち会えるチャンス。熱量を体感してほしい (2016年リオデジャネイロオリンピック カヌー・スラローム男子 銅メダリスト 羽根田卓也選手)

愛知県で開催されるアジア競技大会を前に「非常にエキサイティングです」と語る羽根田卓也選手。オリンピックと同じくスポーツの祭典であり、新たな競技との出会い、海外の人たちとの交わり、コミュニケーションなど、選手にとっても応援者にとっても得るものの多い舞台として、期待感が高まっているそうです。

羽根田選手が生まれ、カヌーと出会った故郷の愛知県で開催される愛知・名古屋アジア競技大会を通して、伝えたいスポーツの魅力とは?さらには、羽根田選手が体感してきたカヌーの醍醐味や、今後の活動についても語ってくださいました。


 
Interviewer
羽根田選手にとって、アジア競技大会とはどのような大会ですか?

羽根田卓也選手
僕の中でアジア競技大会はオリンピックと同じような位置づけで、まさに祭典という感覚です。ワールドカップや世界選手権といった同一競技だけで行うドメスティックな大会とは一線を画す、独特の魔力のようなものがあります。

競技の枠を超えて日本代表の選手団として集い、戦うという機会は、オリンピックとアジア競技大会でしか得られない特別な体験ですよね。他国の文化にも触れられるし、友だちもできるし、普段は観ることのできない競技の観戦もできる。アジアの方と交わり、スポーツを通してコミュニケーションを広げられる最高の舞台です。

Interviewer
「観戦する」「応援する」という視点から、アジア競技大会の楽しみどころもお聞かせください。

羽根田卓也選手
アジア競技大会は、オリンピック以上に新しい競技や多種多様な種目が開催されます。個々の競技別の大会とは違い、新たな競技の魅力に出会うきっかけにもなりますし、発見もたくさんあるはずです。気になる競技があれば、ぜひ足を運んで生で観戦してください。

僕自身、ブレイキンやサーフィンなど気になる競技がたくさんあるので、機会があればぜひ観戦してみたいです。



 
Interviewer
地元である愛知県で開催されることに対して、どう感じますか?

羽根田卓也選手
非常にエキサイティングですね。愛知県は多くのトップアスリートを輩出している地域ですから、ゆかりのある選手も大勢出場するでしょう。選手にとって、自分の故郷で戦うということは特別な思い入れが生まれますし、もちろん観戦する側にとっても、縁のある選手に対する熱量というのは相当大きくなると思います。

スポーツを観戦する時の大切な要素って、やはり選手やチームに対する思いやりだと思うんです。その思いやりがあるかないかで、熱量も大きく左右されます。だからこそ日本の選手、さらには同郷の選手、もっといえば親戚や家族など関係性が近くなればなるほど、応援のボルテージも上がりますよね。

必然的に日本で開催されるアジア競技大会となれば、選手と応援する人のつながりは他国開催より数十倍、数百倍強くなりますし、選手も応援者も、スポーツが持つ力を互いにより強く感じ合えると思います。



 
Interviewer
ホストタウンとして愛知県の皆さんに期待することは?

羽根田卓也選手
日本のホスピタリティは世界が認めています。その文句なしのおもてなし精神で、存分に楽しみながら海外の方を迎えていただきたいですね。特に愛知県の方には、地元が誇るおいしいB級グルメを振る舞うなど、開催地ならではの思い出を提供していただけたらうれしいですね。

Interviewer
羽根田選手が思う、スポーツが持つ力についてお聞かせください。

羽根田卓也選手
スポーツには、人生を変える力があると思います。テレビで画面越しに観てもあれほどの感動を得られるのですから、現地で観ていると鳥肌が立ちますし、僕たちアスリートであっても、一観客として感動の涙が流れるほどです。

愛知・名古屋アジア競技大会は、地元の皆さんの目の前で歴史が変わる瞬間を観られるチャンスです。生で観るからこそ体感できる熱量、ライブ感を肌で感じることで、人生の大きなターニングポイントになり得る力が、スポーツにはあると信じています。

だからこそ、ぜひ多くの子どもたちにも、レジェンドと呼ばれるアスリートたちの姿を生で観てほしいです。そしてこれまで多くのアスリートがそうであったように、この愛知・名古屋アジア競技大会をきっかけとして競技を始める子どもたちの中から、将来のオリンピアンが育ってくれることを願います。

Interviewer
伝えていきたい、発信していきたいカヌーの魅力とは?

羽根田卓也選手
競技としてのカヌーを観戦するという視点で言えば、迫力、スピード感など非常に見応えのある競技だと思います。

さらに、実際に体験することで、カヌーの楽しさをより一層感じてもらえるのではないでしょうか。近所の池や少し足を延ばして山間の川に行けば、レジャーやアクティビティとしてカヌーを体験できるプログラムがたくさん用意されています。日本には全国津々浦々、美しい河川があります。その自然の魅力をディスカバリーしながら、自然と一体になるような楽しさも、カヌーの醍醐味です。

カヌーは競技としてのみならず、生涯を通してライフワークとして楽しみ続けられるスポーツです。ぜひ身構えることなく、グランピングするのと同じような感覚で、気軽に体験してみてください。そしてその気持ちよさや難しさに触れることで、競技を観る時の興奮度や思い入れも、ひときわ膨らむのではないでしょうか。



 
Interviewer
今後の目標についてお聞かせください。

羽根田卓也選手
生涯を通して取り組みたいと思っている、カヌーの魅力を広めるという活動を、選手として、また裏方として、様々な方向から今後も続けていきたいと思っています。

ひいては、次世代が世界で戦い続けられるための環境づくりを通じて、カヌーの価値を高めていくことが目標です。競技の枠を超えて、先輩方の意見をいただきながら、後輩たちとも手を携えて取り組んでいきたいです。




 

スポーツには、人生を変える力があると思います。愛知・名古屋アジア競技大会は、目の前で歴史が変わる瞬間を観られるチャンスです。ぜひ多くの子どもたちにも、アスリートたちの姿を生で観てほしいです。そしてこれまで多くのアスリートがそうであったように、この大会をきっかけとして競技を始める子どもたちの中から、将来のオリンピアンが育ってくれることを願います。





アジア競技大会を「世界の方とコミュニケーションできる祭典」と語る羽根田選手。選手と応援する方たちのつながりが深まる地元・愛知県での開催の盛り上がりに対して、大いに期待を寄せていました。目の前で歴史が変わる瞬間に立ち会うことができる愛知・名古屋アジア競技大会。その熱狂の舞台に思いを馳せると、ますます胸が高鳴ります。

<第三回 完>

<リンク>
【第一回】「水はあなたの友だち」。恩師の一言で、嫌いだったカヌーが大好きに!(2016年リオデジャネイロオリンピック カヌー・スラローム男子 銅メダリスト 羽根田卓也選手)
【第二回】世界で勝つために渡欧。現地の言葉を使うことで見えた強豪国のイズム(2016年リオデジャネイロオリンピック カヌー・スラローム男子 銅メダリスト 羽根田卓也選手)