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2023年07月25日

【第三回】アジア大会は、日本文化や7人制ラグビーの魅力を伝える好機(2020年東京オリンピック ラグビー男子 日本代表 彦坂匡克選手)

愛知県豊橋市で生まれ育ち、双子の弟である圭克選手と共に、小学生の頃からラグビーに打ち込んできた彦坂匡克選手。現在は、愛知県豊田市を拠点とする「トヨタヴェルブリッツ」の一員として、「ジャパンラグビーリーグワン」で活躍しています。
最終回となる第三回のインタビューでは、地元である愛知県で開催されるアジア・アジアパラ競技大会に寄せる思い、期待することなどを語っていただきました。



 
Interviewer
彦坂選手は、2014年仁川アジア競技大会のラグビーフットボールで見事、金メダルを獲得されました。

彦坂匡克選手
ワールドカップなど世界規模で開催される大会の場合、日本は数々の強豪国に立ち向かう挑戦者という立場です。しかし、アジア競技大会では立場が変わり、王者として優勝が必達になります。そのため、勝つことを義務付けられた大会ならではの緊張感やプレッシャーをすごく感じました。

Interviewer
2026年に地元である愛知県で開催されるアジア競技大会に向けての思いは?

彦坂匡克選手
一番期待していることは、7人制ラグビーの魅力を多くの皆さんに感じていただく好機になってほしいということです。日本ではラグビーの国際大会が開催される機会が少ないことから、7人制ラグビーに触れていただくチャンスがあまりありません。仮に国際大会が開催されるとしても関東が中心なので、愛知県で7人制ラグビーの国際大会が行われるということに、今はワクワクしています。



 
Interviewer
彦坂選手から見た7人制ラグビーの魅力は?

彦坂匡克選手
観る方には、ぜひ7人制ならではのスピード感を体感していただきたいですね。攻守の切り替えなど、展開が速いので目が離せません。選手の立場からすると、15人制と同じサイズのグラウンドでほぼ同じルールで戦うため、とにかく守備も攻撃も、最後までスピードを落とさずに走り続ける持久力が求められます。ぜひ直接会場へ足を運び、スピード感や選手たちの息づかい、敵の守備網を突破して走り抜け、トライした瞬間の高揚感を一緒に味わってください。









 
Interviewer
ホストタウンとなる愛知県の皆さんに期待することは?

彦坂匡克選手
海外の方は、日本文化や日本の食に対して興味を持っている方が多いので、日本の良い所、日本の魅力を感じてもらえる機会を演出できれば良いのではないかなと思います。たとえば半被や和服でのお出迎え、お寿司や武将隊のパフォーマンスによるおもてなし、箸で食べる日本食の体験など、日本を好きになってもらえるチャンスを生かせるといいですね。
また、地元の方に向けて、ラグビーの楽しさを体感してもらえるような体験教室などが開催できたら素敵だなと思います。


Interviewer
今後の目標についてお聞かせください。

彦坂匡克選手
直近の具体的な目標は、所属チームでリーグ優勝を成し遂げることです。昨季は、プレーオフ進出まであと一歩という悔しい結果に終わり、近いようで遠い、優勝までの道のりの険しさを痛感したシーズンでした。立ちはだかる壁を越えるためには、チーム内のコミュニケーションを深め、やるべきこと、やらなければならないことを細かく洗い出すことが重要だと感じます。昨季までの反省をもとに、今季はシーズンに突入する前の早い段階から、選手間の意思疎通を重視し、圧倒的な強さで優勝へ突き進めるように綿密な準備を整えたいです。





 
Interviewer
アスリートとして、キャリアを重ねてきた中での気付きや思いについてお聞かせください。

彦坂匡克選手
今、僕は選手として、地域の方や職場の方、ファンの方など、多くの方々から温かい応援をいただきながら大好きなラグビーに打ち込むことができています。若い頃は自分が活躍することばかり考えていましたが、選手としての経験を重ねるにつれて、周囲への感謝の気持ちが大きくなってきました。環境を整えてくださる競技関係者、チームスタッフ、大会運営の方を含め、計り知れない応援やサポートのおかげで競技の熱量が生まれ、ラグビー選手としての自分が生かされている。その思いは、僕にとってモチベーションの一つになっています。

Interviewer
今後、挑戦してみたいことはありますか?

彦坂匡克選手
ラグビーを応援してくれる方に向けて、少しでも恩返しになればという思いから、地域のタグラグビー(ラグビーを簡略化した年少者、初心者向けラグビー)教室など、ラグビーの普及活動にも積極的に参加しています。将来的には、こういった活動をさらに広げ、ラグビーにとどまらず、スポーツをすることの楽しさ、仲間と共に戦う喜びや達成感を伝えていきたいです。

Interviewer
最後に、スポーツを通じて発信したいメッセージをお願いします。

彦坂匡克選手
どのような競技でも、夢を持ってトップをめざすのは良いことです。しかし、それ以上に大切なことはスポーツを通じて得た仲間との心の交流や、共に打ち込んだ時間です。僕自身もスポーツをやっていたからこそ日本各地に多くの友人ができ、そういった一つひとつの縁が今の自分を形成しています。ぜひ皆さんも、自分が打ち込める競技を見つけ、楽しくスポーツすることを通して、仲間を思いやる気持ち、周囲への感謝の心を養ってください。





 

2026年に愛知県で開催されるアジア競技大会は、主に国際大会で採用されている7人制ラグビーならではのスピード感や楽しさを、直に体感できる貴重な機会です。たとえば、地元の方向けのラグビー体験教室を開催するなど、このチャンスを生かしてラグビーの魅力を発信したいです。




日本ラグビー界を牽引するオリンピアンの一人である彦坂選手は、ラグビーの普及、発信にも積極的に取り組んでいます。世界が日本に注目する機会であり、また、地元の方が世界トップクラスのスポーツ競技に触れる機会でもあるアジア・アジアパラ競技大会に向けて、期待感や意気込みを熱く語ってくださった彦坂選手。その言葉には、ラグビーをはじめとしたスポーツへの情熱がみなぎっていました。

<第三回 完>

<リンク>
【第一回】トライを決めたときの爽快感に魅了され、ラグビーに没頭(2020年東京オリンピック ラグビー男子 日本代表  彦坂匡克選手)
【第二回】国際大会で最高のパフォーマンスを発揮する鍵は“普段通りの準備”(2020年東京オリンピック ラグビー男子 日本代表  彦坂匡克選手)