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2023年07月11日

【第一回】トライを決めたときの爽快感に魅了され、ラグビーに没頭(2020年東京オリンピック ラグビー男子 日本代表 彦坂匡克選手)

日本ラグビー界が盛り上がりを見せる中、2016年リオデジャネイロオリンピックで世界4位に輝き、2020年東京オリンピックで2大会連続出場を果たすなど、日本を代表するラグビー選手のひとりとして輝かしい功績を刻むラグビーの彦坂匡克(ひこさか まさかつ)選手。愛知県豊田市を拠点に活動するラグビーチーム「トヨタヴェルブリッツ」の一員として、チームの躍進にも力を注いでいます。
幼少期からラグビーに打ち込んできた彦坂選手。ラグビーを通して感じたスポーツの魅力や国際舞台で戦う思い、アジア大会に寄せる思いなどを包み隠さず語ってくださいました。
終始、笑い声の絶えない和やかな雰囲気に包まれたインタビューの中から、第一回は、ラグビーとの出会いや競技としての醍醐味、双子の弟である圭克(よしかつ)選手との関係性にまつわるお話などをお伝えします。


 

Interviewer
幼い頃はどのようなお子さんだったのですか?

彦坂匡克選手
声が大きい、ポッチャリ体型の男子でした(笑)。僕には幼い頃から一緒にラグビーに打ち込み、今も同じチームに所属する圭克という双子の弟がいるのですが、圭克はどちらかというと物静かな性格で、僕はムードメーカー的存在でしたね。

Interviewer
ラグビーを始めたきっかけは?

彦坂匡克選手
ラグビーとの出会いは、小学校1年生のときです。同じマンションにラグビースクールのコーチがいたというご縁から、「闘争心のある子に育ってほしい」と願った両親がラグビースクールの見学に連れて行ってくれたんです。ただ、初めてラグビーに触れたその日は確か大雨で、あまり楽しい思い出ではなかったです。

Interviewer
積極的にラグビーを始めたというわけではないのですね。

彦坂匡克選手
そうです。親に薦められるがまま何となく始めたので、最初の頃は競技自体が「すごく面白い」という感覚はありませんでした。楽しみといえば、月に何回か開催されていたスクール対抗戦の日。豊橋からパロマ瑞穂ラグビー場まで父が車で送迎してくれたのですが、道中、知立名物の和菓子を買ってもらって食べるのが何よりも楽しみでしたね。



 
Interviewer
他のスポーツも経験されたのですか?

彦坂匡克選手
小学校時代は水泳や陸上、バスケットボールなどいろいろなスポーツを経験しました。特にサッカーは、小・中学校を通じてサッカー部に所属していたので、ラグビー以外のスポーツの中では、一番長く続けたスポーツです。平日は部活動、週末はラグビースクールとスポーツざんまいでしたね。

Interviewer
いろいろ選択肢がある中で、ラグビーを選んだ理由は?

彦坂匡克選手
野球やサッカーといったメジャーなスポーツに比べて、ラグビーの競技人口自体が少なかったことが、僕にとっては良かったのかもしれません。たとえば、部活動で打ち込んでいたサッカーは、頑張っても市内大会優勝、県大会に手が届くかどうかぎりぎりのレベルだったんです。でもラグビーは、ライバルが少ないこともあり、愛知県内の大会ではほとんど負け知らず。チームとして無敵の強さを誇っていました。さらに、中学生のときに愛知県のスクール選抜に選ばれて、全国大会で優勝したんです。その頃から、ラグビーなら自分の活躍の場が広がりそうだなと思うようになりました。高校進学を考える際に、ラグビー推薦で声を掛けていただいたことも、ラグビー一本に絞り込む契機でしたね。

Interviewer
彦坂選手にとって、他の競技にはないラグビーならではの魅力とは?

彦坂匡克選手
昔から、とにかくボールを持って走るのが大好きでした。思いきり走り、相手を振り切ってトライを決めたときの爽快感は格別ですね。さらに大学、社会人とラグビーのキャリアを重ね、次第に競技レベルが上がるにつれて、身体の大きい選手同士がぶつかり合うコンタクトスポーツとしての面白さも加わってきました。今は、競技としての奥深さや醍醐味も実感しています。



 
Interviewer
ラグビー選手で良かったと思うのはどんなときですか? 

彦坂匡克選手
身体的にはすごく辛い場面も多いのですが、練習や試合が終わった後の和気あいあいとした雰囲気が好きです。コンタクトスポーツという特性が影響しているのか、他の競技に比べて、普段から選手同士の距離感が近い気がします。苦楽を共にしている戦友のような一体感や、同志としての連帯感が、僕にとってはすごく心地良いんです。加えて、ラグビーに限らず団体競技に共通していることだと思いますが、互いの良さを掛け合わせ、苦手な部分を補い合うことでチームとして強くなれるところ。自分ですべてを背負うのではなく、得意な部分を突き詰めていくことで最適なポジションや役割が見つかり、自分の存在価値を見出すことができるというのは、ラグビーを含め、チームスポーツの良さだと思います。

Interviewer
これまでラグビーを辞めたいと思ったことは?

彦坂匡克選手
辞めたいと思ったことはありません。ただ、もちろんうまくいかないことや、思うような成果が得られないジレンマを感じることはありましたよ。

Interviewer
困難に直面したときの解決策は?

彦坂匡克選手
おいしい物、カロリーの高い物を食べて気持ちを切り替えます(笑)。ラーメン、カレー、あとはケーキやクレープなど甘い物も大好きです!困難に直面したときに限らず、夏の走り込みとか厳しい練習の後はコンビニに駆け込んでいますね(笑)。



 
Interviewer
では、コンビニスイーツの新商品情報も詳しそうですね。

彦坂匡克選手
そうですね。ただ、僕以上に圭克の方が詳しいですよ。新しい商品やおすすめのスイーツがあると、うれしそうに教えてくれます。

Interviewer
弟の圭克さんと仲が良いのですね。

彦坂匡克選手
小学校1年生のときにラグビーを始めてからずっと一緒ですからね。小学校、中学校、高校、大学と同じ学校で、ほとんどの期間、寝食を共にしてきました。社会人になって寮に入るときは「ようやく別々の部屋になるなぁ」と思っていたら、結局隣の部屋でしたから。でもラグビーの話はほとんどしないです。スイーツの話が多いかな。

Interviewer
双子でラグビー選手になって良かったと思うことはありますか?

彦坂匡克選手
一つはスイーツ情報が入手できること(笑)。それから、辛さを共有したり刺激を受けたりできるということはアドバンテージになっていると思います。大学時代には、双子のラグビー選手として注目してもらえたこともうれしかったですね。



 

ボールを持って颯爽と走り抜け、トライを決めるスピード感や、コンタクトスポーツとしての迫力。選手としてのキャリアを重ね、競技レベルが上がるにつれて多様なラグビーの魅力に引き込まれていきました。




双子の弟・圭克選手と共に、幼い頃からラグビーに打ち込んできた彦坂匡克選手。競技の魅力もさることながら、選手間の信頼関係や一体感などにも話が及ぶ場面も。匡克選手がムードメーカーとなってつくり出す和やかな雰囲気や、心からラグビーを楽しんでいる匡克選手の様子をうかがい知ることができました。
次回は2023年7月18日(火曜日)に掲載予定です。
世界の舞台で感じたことや最高のパフォーマンスを発揮するための心構えなど、貴重なお話が満載です。

第二回 2023年7月18日(火曜日)掲載記事につづく>