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  3. 【第三回】“支える、伝える”立場からスポーツの魅力を発信(2016リオデジャネイロオリンピック レスリング女子69kg級 金メダリスト 土性沙羅さん)

2023年06月27日

【第三回】“支える、伝える”立場からスポーツの魅力を発信(2016リオデジャネイロオリンピック レスリング女子69kg級 金メダリスト 土性沙羅さん)

2016年のリオデジャネイロオリンピックで、金メダリストとなった土性沙羅さん。2023年春に現役を引退し、4月からは故郷の三重県松阪市で、市の職員として勤務しています。
土性さんの入庁を機に松阪市では「伝えたい!スポーツのチカラプロジェクト」を始動。土性さんは教育委員会事務局スポーツ課の一員として、SNSによる発信や小・中学生に向けた出前授業、イベントなどを通じ、スポーツの普及・振興に精力的に活動されています。

元アスリートならではの視点や体験を活かし、スポーツの魅力を伝える土性さん。アジア・アジアパラ競技大会に寄せる思いや今後の夢について語っていただきました。



 
Interviewer
アジア・アジアパラ競技大会が愛知・名古屋で開催されることに対する想いをお聞かせください。

土性沙羅さん
アジア大会は4年に一度の開催ということもあり、すごく特別感のある大会だと思います。
アスリートにとって4年に一度というのは、調子のピークを合わせるのが難しく、限られた人だけが出場できるとっておきの舞台。私自身、数々の世界大会に出場しているものの、アジア大会には出場したことがないんです。
本音を言えば、ゆかりのある愛知県で開催されるアジア大会ですし、現役の選手として出場したかったという思いもあります。

Interviewer
地元の方にとっても貴重な機会になりそうですね。

土性沙羅さん
大人はもちろんですが、小学生や幼い子どもたちにも、ぜひ観戦してほしいですね。世界レベルのプレーを間近で観ることにより、スポーツの魅力や熱量を肌で感じられると思います。
また試合だけでなく、世界各地から一流選手が集まることも貴重な機会に。練習風景を見たり、外国の方と触れ合ったりするチャンスがあるかもしれません。
決して当たり前ではない経験ですし、特別な記憶になると思います。



 
Interviewer
アジア大会に臨む選手に向けて、メッセージをお願いします。

土性沙羅さん
私自身、選手時代は自分の試合のことで精一杯でしたが、現役を引退した今振り返ってみると、自分が戦うためにいかに多くの方の支えがあったかということを実感します。
ぜひ選手の方には、競技に打ち込める喜びと共に、応援してくれる方々や大会を支えてくれる方々への感謝の気持ちを胸に、大会に挑んでほしいと願っています。

Interviewer
アジア・アジアパラ競技大会で楽しみにしているポイント、注目している競技があれば教えてください。

土性沙羅さん
レスリングはもちろんですが、ブレイキンという新競技もすごく気になります!
それから、松阪市に帰郷する前は、建て替え工事中の名古屋市瑞穂公園陸上競技場の前をよく車で通っていたので、どのような競技場になるのか楽しみです。
新しく生まれ変わった競技場で繰り広げられる数々のドラマにも期待が膨らみますね。




 
Interviewer
ホストタウンとして海外の方を迎える愛知県、東海地方の方が心がけると良いことはありますか?

土性沙羅さん
選手や関係者をはじめ応援に駆け付ける方など、世界中から大勢の人が集います。こういうときこそぜひ、日本ならではのおもてなしの心を発揮してほしいですね。
例えば街中で海外の方に道を聞かれたときには、言葉が通じないからと言って冷たく接するのではなく、ジェスチャーを交えながらでも良いので優しく対応してあげたいですね。
また試合会場では緊迫する戦いの場面でも、観客の声はしっかり選手に届きますし、選手にとっては声援が力になります。
選手が持っている力を発揮できるよう、ぜひ皆さんでパワーを送りましょう!





 
Interviewer
松阪市の職員として様々な形でスポーツの魅力を発信されています。今後の目標についてお聞かせください。

土性沙羅さん
現役時代、本当に多くの方に支えられ、応援していただいたおかげで選手生活を全うすることができました。故郷への恩返しの意味も込めて、私にできることがあれば積極的にチャレンジしていきたいと思っています。
その一つが「伝えたい!スポーツのチカラプロジェクト」です。
SNSを通じて、スポーツの魅力や楽しみ方を伝えていくほか、これから世界へ羽ばたいていく小・中学生に向けた出前授業や、トップアスリートの方を招いたイベントの開催など、スポーツの普及・振興に向けて取り組みをスタートしています。
まだ挑戦を始めたばかりですが、元アスリートの私にしかできないこともきっとあると思うので、地域の方々と協力しながら活動を広げていきたいです。


 
Interviewer
スポーツを通じてどのようなことを伝えていきたいですか。

土性沙羅さん
私自身、幼い頃は内気な性格で、練習しても全然芽が出ませんでした。それでも辛い練習に耐え、日々頑張っていたからこそ、オリンピックという憧れの舞台で金メダルを獲ることができました。
諦めずに努力を続けることでしか見えない景色って、必ずあると思うんです。どんな小さな一歩でも良いので、やってみたいことがあれば臆せず挑戦し、頑張った先にある景色を見に行ってほしい。私自身の経験をもとに、夢や目標を持つことの大切さを伝えていきたいです。









 

4年に一度開催されるアジア・アジアパラ競技大会は、世界のトップアスリートが集う、またとない機会です。スポーツの熱量を肌で感じ、ぜひスポーツの魅力を体感してください。




リオデジャネイロオリンピックの金メダルをはじめ、輝かしい成績と感動の記憶を残した土性さん。現役を引退した今、支えてくれた方、応援してくれた方への感謝の気持ちが以前にも増して膨らんでいるようです。
アスリートとしての経験や、土性さんならではの視点を通して、スポーツの楽しさや喜び、素晴らしさを様々な形で伝えてくれることでしょう。
スポーツの伝道師としての土性さんの今後の活躍に、期待が膨らみます。


<第三回 完>


【第一回】「負けたくない」の一心で練習に打ち込んだ少女時代(2016リオデジャネイロオリンピック レスリング女子69kg級 金メダリスト 土性沙羅さん)
【第二回】自然体で挑んだ大舞台で夢の金メダルを獲得(2016リオデジャネイロオリンピック レスリング女子69kg級 金メダリスト 土性沙羅さん)